仮想通貨の取得価額や売却価額が分からない場合
国税庁が令和3年6月に公表した「暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について」、「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)」を参考に解説します。
13 暗号資産の取得価額や売却価額が分からない場合
問 本年中に暗号資産取引を行いましたが、取引履歴を残していないため、暗号資産の取得価額や売却価額が分かりません。これらの価額を確認する方法はありますか。
答 次の区分に応じて暗号資産取引の取得価額や売却価額を確認することができます。
*暗号資産を仮想通貨に読み替えています。
① 国内の仮想通貨交換業者を通じた仮想通貨取引を行った場合
コインチェックなどの国内取引所を利用している方はこちらを参考にします。
平成 30 年1月1日以後の仮想通貨取引については、国税庁から仮想通貨交換業者に対して、次の事項などを記載した「年間取引報告書」が交付されます(問 15 参照)。
- 年中購入数量:その年の仮想通貨の購入数量
- 年中購入金額:その年の仮想通貨の購入金額(取得価額)
- 年中売却数量:その年の仮想通貨の売却数量
- 年中売却金額:その年の仮想通貨の売却金額
お手元に年間取引報告書がない場合は、仮想通貨交換業者に年間取引報告書の(再)交付を依頼してください。
(注) 平成 29 年以前は、年間取引報告書が交付されない場合があります。その場合は下記②により、ご自身で仮想通貨の取得価額や売却価額を確認してください。
② 上記①以外の仮想通貨取引(国外の仮想通貨交換業者・個人間取引)を行った場合
バイナンスなどの海外取引所を利用している方はこちらを参考にします。
個々の仮想通貨の取得価額や売却価額について、例えば次の方法で確認してください。
- 仮想通貨を購入した際に利用した銀行口座の出金状況や、仮想通貨を売却した際に利用した銀行口座の入金状況から、仮想通貨の取得価額や売却価額を確認する。
- 仮想通貨取引の履歴及び仮想通貨交換業者が公表する取引相場を利用して、仮想通貨の取得価額や売却価額を確認する。
(注)個人間取引の場合は、あなたが主として利用する仮想通貨交換業者の取引相場を利用してください。
確定申告書を提出した後に、正しい金額が判明した場合には、確定申告の内容の訂正(修正申告又は更正の請求)を行ってください。なお、売却した仮想通貨の取得価額については、売却価額の5%相当額とすることが認められます。例えば、ある仮想通貨を 500 万円で売却した場合において、その仮想通貨の取得価額を売却額の5%相当額である 25 万円とすることが認められます。